今年最後の本棚です。
ふきちゃんと暮らすようになり、犬について、動物について、一緒に暮らすという事について、それぞれに生きていくということについて、今までより考える事が多くなりました。
ペットショップに行って、犬や猫の赤ちゃんを見てはカワイイ、カワイイと騒いでいましたが、もうそれもなんだか出来なくなってしまいました。
ある程度大きくなった子達のお散歩はどうしてるのかとか、この間来たときもこの子はいたけど、もし誰にも飼われることなく過ぎていったらどうなるのかとか、そんなことばかり気になってしまう。
もちろん感傷的になりすぎてるってことは重々承知です。
お店だって慈善事業じゃないのだから。
私にとってふきちゃんは大切は家族だけど、お店にとってその子達は商品でもあるのだから。
年間に数十万頭の犬や猫が殺処分されていると聞けば、誰しもが愕然とするでしょう。
どうして、って、何とかならないの、って、思うでしょう。
でも、多分思うだけで夜が明けてしまうのです。
そしてまた、時間がたち、日々を過ごしてるうちに、ショックを受けて愕然としたことも、気持ちのどこかに置き忘れてしまいます。
そうでもしないと、辛くてとてもやりきれないから。
でも。
そういう現実に正面から立ち向かい、手を差し伸べ、尽力している人たちもいるのです。
ただ黙々と、百匹以上もの犬が暮らす犬舎を掃除し、水や餌を与え、毛を刈り、薬を与え、汗だくの作業をする。語るのではなく、動く。
犬たちが不本意な死を迎えることのないように。
それでもやっぱり殺処分は毎日繰り返される。
それを私は絶対忘れる事のないようにしなければ。
記憶のどこかに置いてきてしまったりしてはいけないんだ。
『君と一緒に生きよう』 毎日新聞社 森 絵都