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sawa sawa ・・・

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お別れ。

まとまった買い物をしたり、映画や食事をするときはたいてい隣市に行く。
そのとき、この海沿いの道路を通ります。
今日は沖に台風があるせいで、波が高い。
空がぬけるように青く、濃い。
私が住む町は、このこんもりとした山の、向こう側にあります。
お別れ。_e0171951_14243019.jpg


先日、お世話になったおばちゃんが亡くなりました。
祖母の一番下の妹で、母にとっては叔母にあたる人。
私や妹が子どもだった頃は茅ヶ崎に住んでいて、なので、茅ヶ崎のおばちゃん、でした。

いつも文庫本を読んでいた学者気質のおじちゃんと、お酒が強い優しいお兄ちゃん、そして子ども好きなお姉ちゃんと、お喋りで世話好きであちこち歩き回るのが好きなおばちゃん。
小学生だった私と妹が、その家族を嫌いなはずはなく、夏休みになるとその家族の所へ泊りがけで遊びに行くのが本当に楽しみだった。
ロッキングチェアーとか、手塚治のマンガとか、チーズケーキとか、そしてなぜか電卓!とか、その家で初めて目にしたものもたくさんある。
そういえば、マトリョーシカに初めて出会ったのも、茅ヶ崎のおばちゃんの家でした。
そこにいけば、ワクワクするたくさんのモノやコトが、確実に待っていたのだ(そして、帰らなきゃならない日は淋しくて、泣きそうになるのをガマンした)。

夏になるとやってくる子ども二人。
煩わしいときもあったろうに、私たちにそんなことを微塵も感じさせることはなくて、「チビっこたちはいつくるの?」と、子どもの私たちに、楽しみに待ってるんだから行かなきゃ、くらいに思わせていた人たち。
その気遣いや、明るさや、朗らかさに、どれだけ感謝すれば足りるだろう。

おじちゃんとお兄ちゃんはすでに亡くなり、おばちゃんも逝ってしまった。
恩返しなんてほとんど出来ないまま。

海が好きで、海で亡くなったお兄ちゃんと同じように、小笠原の海に散骨してほしいというのが望みで、残された孫たちによって近いうちに叶うことでしょう。

この先、また暑い季節が巡り、海を見ると、あの子どもの頃の楽しい思い出と一緒に、おばちゃんのことを思い出すでしょう。
by sibafuki | 2012-08-01 15:07
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