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本棚 その13

タイトル通りの、本だった。

小学5年生の“えだいち”が、おじいさんの家で暮らすようになり、そこで過ごす夏休みを描いたものだ。
無口なおじいさん、小さな子どもを迎えて、戸惑うけれど嬉しくないわけでもなくて、なんとなくハイジのおんじみたい。
クラスメイトの押野くんもいい。
情けない私は、読み始め、この押野くん、なんかグレイっぽいなぁ、などと、実にくだらないことを思うのだ。
そんな疑いの気持ちも次第に消されていき、彼もまた、えだいちクンとともに、キラキラした季節を体いっぱいに浴びていく。

私の思い出はどちらかというとおばあちゃんだ。
我が家は穏やかな系統なのだが、このおばあちゃんだけは結構はっちゃけていた、と思う。

おじいちゃんも、父も母も飲まなかったが、お酒が好きだったし、酔っ払って帰ってきた事もあった。
人のよくないところを、その人を前にして、歯に絹着せぬ物言いで言ったりもした。
なので、けむたがられたりもしていたようだ。
成績がちょっと良くなったときにも、関心がないようで誉めてもらえなかったし、私のよくないところをズバッと言い当てられ、つかの間落ち込んだりもした。
一緒に住んでいたけれど、今で言う2世帯っぽく暮らしていたので、ご飯はいつも別々だった。
私はおばあちゃんのところで食べるご飯が大好きだったけれど、好き嫌いが多かったから、母によくストップをかけられた。
おばあちゃんが私の好きなものしか出さないから。
鳥が好きで、九官鳥とか、インコとか、十姉妹とか、どこからかもらってきては次から次へ飼っていた。

おばあちゃんが亡くなったとき、たくさんの人が来てくれて・・・働き者のおばあちゃんはずっと、飲食店の厨房で、ご飯炊きや洗い物の仕事をしていたのだ・・・その中には若い人たちもたくさんいたのだが、泣いている人やいつまでも顔を覗き込んで帰らない人が多くて、高校生の私はちょっとびっくりした。
おばあちゃんは、私のおばあちゃんだけじゃなくて、いろんな人のおばあちゃんだったのだなぁと。

わがままな子どもだった私におばあちゃんが言った事がある。
人に優しくするのは自分のためじゃない。
でもその行為は、めぐりめぐって自分の子や孫や、自分が大事に思っている誰かのところに戻ってくる。
おばあちゃんらしい、と思うし、大切にしようと思う。

保育園の時、小さな妹がいたので、母は一緒に遠足に行かれず、代わりにおばあちゃんと行った。
アルバムに残る、大きな口をあけておむすびを食べる、笑ったおばあちゃんが大好きだ。

そんな事をぽつりぽつりと思い出しながら、読んだ。
しずかな日々はだれにでもある。
それは本当に地味でささやかなんだけど、なぜか涙が出てしまうこともある。

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『しずかな日々』  椰月美智子   講談社文庫
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by sibafuki | 2010-08-16 20:04 | 本棚 | Comments(2)
Commented by Asa at 2010-08-18 10:12 x
こんにちは。
mayuさんのおばあちゃん、うちのおばあちゃんと重なる部分がありました。わたしのおばあちゃんも、歯に衣着せぬ毒舌で、グサッと来ることを言われたりしたことや、動物好きでネコ数匹と犬がいたこと、放し飼いのお迎えの犬もおやつをもらいに来ていたこと思い出してました。お盆も終わったばかりですが、しばしおばあちゃんのことをじっくり思い出す機会をくださいました。ありがとうございます。
そちらは残暑がかなりきびしいようですが、気をつけてくださいね。
Commented by mayu at 2010-08-18 19:46 x
Asaさん、こんばんは。

今日もとてもとても暑かったです+++

私もこの本を読むまで、最近ではあまり思い出すこともなかったのですが・・・
うちのおばあちゃんも、Asaさんのおばあちゃんも、久しぶりに孫がじっくり思い出してくれて、天国で喜んでるかもしれませんね。
ブツブツ文句なんか言ったりしながら・・・笑
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