クウネルの付録についてきた冊子を今日読みました。
坊っちゃん文学賞の大賞受賞作の2作品です。
そういう賞があったことも今まで知らなかったんだけど。
大きく括ってしまうと、一つはイジメを扱ったもの、もう一つはシュウカツを扱ったもの。
私は批評家でもないし、審査員でもない、ただの主婦の読者なので、文学作品も、人気推理小説も、新人作家の小説も、どれも同じ目線で読む。でも読者ってそういうもの、でしょう。
自分の考え方や、生活観や、たどってきた道、そんな自分を作っているモノのどれかと、その作品の中の言葉が寄り添えたら、それは私にとって好きな本になるのだと思っている。
私はイジメで学校に行けなくなるほど悩んだり、シュウカツで打ちのめされたりした経験はないです。
でも、主人公達の気持ち・・・マイペースを貫く根性はなく、周囲に合わせて、笑ったり、神妙な顔をしたり、でも、やっぱり馴染めなくて、どこかでくじけてしまうとか、高校に行って大学に行って就職すれば大人になるって信じてたけど、そんなの間違いだって気づいたときの途方にくれる様、とか・・・そういうの、よくわかる。
そういう、面倒なことにいちいち立ち止まりたくないけど、でも、やっぱり、立ち止まらずにはいられないのだ。
この2作品が多くの人の目にとまり、心に響いて欲しいと思います。
『右手左手、左手右手』 ふじくわ綾
『なれない』 村崎えん